ものづくりプレス

2025-06-10

高耐久PTFEジャバラの材質と構造|長寿命化のための設計ポイント

PTFEジャバラという言葉は聞いたことありますか?

「テフロン」として知られるこの素材は、耐熱性や耐薬品性に優れているため高耐久で、医療や化学分野で大活躍しています。

例えば、内視鏡のカバーや化学薬品の輸送配管など、過酷な環境でも安定して使えるんです。


本記事では、PTFEジャバラはなぜそんなに優秀なのか、具体的な特徴や製造プロセス、そして活用事例について詳しく解説していきます。

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ジャバラって何?

ジャバラとは、柔らかくてしなやかな板みたいな素材を、山折りと谷折りを繰り返して作った「伸び縮みするパーツ」のことです。

見た目が蛇のウロコみたいだから「蛇腹(じゃばら)」と呼ばれたり、英語では「ベロー」や「ベローズ」と言ったりもします。

例えば、機械の中でほこりを防いだり、安全のために柔らかくて密閉できる部分が欲しいときに使われます。

形は筒状のものが多いけど、ちょっとだけ切り取ったような形でも使える便利なアイテムです。


PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)とは?

PTFE(ポリテトラフルオエチレン)は、フッ素樹脂の一種であり、その優れた特性からさまざまな分野で広く使用されています。

特に、「テフロン」という商品名で知られることが多く、耐熱性や耐薬品性、高耐久性、滑り性に優れた素材として知られています。

PTFEの特徴

耐熱性

高温でも安定しており、摂氏260度まで使用可能。


耐薬品性

酸やアルカリなどの化学物質にも強い。


非粘着性

表面が非常に滑らかで、汚れや粘着物が付着しにくい。


電気絶縁性

高い絶縁性を持ち、電気部品にも使用可能。


低摩擦係数

滑りが良く、機械部品の潤滑剤としても活用される。


PTFEの製造プロセス

PTFEは、四フッ化エチレン(TFE)というモノマーを重合させることで生成されます。

このプロセスでは、高圧下での重合反応が必要であり、特殊な装置と技術が求められます。

製造後、成形や加工によって目的に応じた形状に仕上げられます。

PTFEジャバラの用途

医療分野

医療分野でもさまざまな用途で使用されています。

特に医療機器や設備の中で、柔軟性や清潔さが求められる場面で役立っています。

主な例を挙げると以下のようなものがあります。


内視鏡やカテーテルのカバー

内視鏡やカテーテルなどの医療機器では、柔軟性が求められるため、ジャバラ構造を採用することがあります。

これにより、機器が体内で滑らかに動けるようになります。


手術用ロボット

ロボットアームの可動部分を覆うカバーとして使用され、精密な動きが求められる手術でのパフォーマンスをサポートします。


配管保護

医療機器内部の配管やケーブルを保護するために、ジャバラが用いられることがあります。

これにより、安全性と長寿命が確保されます。


クリーンルーム対応機材

ジャバラはほこりや異物の侵入を防ぐ特性を持つため、クリーンルームで使われる医療設備にも利用されます。

これらの用途では、通常の工業用ジャバラと異なり、医療グレードの素材(例えば、滅菌可能なシリコンやPTFE)が使われることが多いです。


化学分野

化学薬品の輸送配管 耐薬品性を持つ素材で作られたジャバラは、腐食性の強い化学薬品の輸送に最適です。


化学プラント設備

化学反応を行う装置や機器内の可動部分を保護するために使用されます。

これにより、機器の寿命が延び、メンテナンスの頻度が減少します。


ガスや液体の密閉輸送

ガス漏れや液体の漏洩を防ぐため、ジャバラを用いた高い密閉性が求められる配管やホースに使用されます。


腐食環境での保護

化学工場や研究所など、腐食性が高い環境で使われる装置を守るため、耐酸性・耐アルカリ性のジャバラが使われます。


特殊環境下での使用

高温・低温、または真空環境での使用にも耐えられるジャバラが開発されており、化学産業で幅広く採用されています。

まとめ

PTFEは、優れた物性を持つフッ素樹脂として、日常生活から先端産業まで幅広く活用されています。

特に、高耐久な材質選定が求められる場面では、PTFEジャバラが非常に有効です。

今後も、環境負荷の低減や新たな応用分野の拡大が期待される素材と言えるでしょう。