ものづくりプレス
2025-06-14
耐熱ゴムパッキンの選定基準|高温環境での劣化を防ぐ方法
高温環境で使用されるゴムパッキンは、その耐熱性が非常に重要です。
高温にさらされると、ゴムは硬化したり柔らかくなったり、最悪の場合、劣化して機能を果たせなくなることもあります。
特に、ゴムパッキンの劣化対策は重要で、長期間安定して使用できる素材を選ぶことが必要です。
シリコーンゴムやフッ素ゴムなど、耐熱性に優れたゴム素材を選べば、過酷な温度環境でも形状や弾力を保ち、機能を維持することができます。
このガイドでは、耐熱ゴムパッキンを選ぶ際のポイントや、使用環境に適した素材の選定基準を解説します!
ゴムの耐熱性とは
ゴムは熱を加えると硬くなる性質を持っていますが、限界温度を超えると逆に柔らかくなったり、変形したりしてしまいます。
さらに、粘着性が出て周囲にくっつくこともあり、実際に使うときに問題が起こることがあります。
工業材料の中では、ゴムは特別に耐熱性が高いわけではありません。
でも、中にはフッ素ゴムやシリコーンゴムのように、耐熱性を改良したタイプもあります。
だからこそ、ゴムを選ぶときは「どんな環境で使うのか?」をしっかり考えることが大切です。
最高温度や最低温度に耐えられるか、薬品やオゾン、紫外線、摩耗に強いかどうかなど、いろいろなポイントをチェックして選びましょう。
また、ゴムの配合や添加剤を工夫することで、こうした弱点を補うことも可能です。
最適なゴムを選んで、長く快適に使いたいですね!
耐熱性があるゴムパッキンの選び方
耐熱性ゴムパッキンは、高温環境下でもその弾性や形状、機能性を維持できる特殊なゴム素材です。
用途に応じた最適なゴムを選定することが重要であり、主に以下の種類が挙げられます。
主な耐熱性ゴムパッキンの種類と特徴
シリコーンゴム
シリコーンゴムは、約-50℃から+250℃までの幅広い温度範囲で使用できる優れた耐熱性を持っています。
さらに、耐候性や柔軟性にも優れており、低温でもその柔軟さを維持できるため、極寒地でも活躍します。
主に自動車部品、医療機器、食品産業など、温度変化が激しい環境で使われます。
フッ素ゴム (FKM)
フッ素ゴムは、約-20℃から+200℃(一部製品は+250℃まで耐えるものもあります)まで対応可能で、耐熱性に加えて、優れた耐油性と耐薬品性を誇ります。
しかし、極端な寒さには硬化する傾向があるため、使用環境をよく考慮する必要があります。
このゴムは、化学工業、オイルシール、航空宇宙などでよく使用されています。
フッ素シリコーンゴム
フッ素シリコーンゴムは、シリコーンゴムとフッ素ゴムの良い点を合わせたハイブリッド素材です。
この素材は、約-50℃から+300℃まで耐えることができ、高温かつ化学薬品にさらされる環境での使用に最適です。
化学工場や高温環境で活躍します。
エチレンプロピレンゴム (EPDM)
エチレンプロピレンゴムは、約-50℃から+150℃までの耐熱性を持ち、優れた耐候性があります。
しかし、油や燃料に対しては脆弱なため、使用する場所や環境に合わせた選定が必要です。
主に自動車シール、建築、配管部品などで使用されています。
ゴムパッキン選びのポイント
ゴムを選ぶ際には、単に耐熱温度だけでなく、使用環境に合わせた性能をしっかり考慮することが大切です。使用する温度範囲がどれくらいか、油や薬品に対する耐性が必要か、さらには柔軟性や衝撃吸収性の有無も選定の重要なポイントです。
また、ゴムの加工性や経済性も考慮し、最適なゴムを選ぶことが成功の鍵となります。
選び方のポイント
ゴムを選定する際、ただ温度だけでなく以下の点も考慮することが大切です。
温度範囲
想定される使用温度がどの程度か。
例えば、高温環境(200℃以上)ではシリコーン系やフッ素シリコーンが適しています。
化学薬品の影響
周囲に油、薬品、酸・アルカリなどがある場合は、耐薬品性の高いフッ素ゴムやフッ素シリコーンゴムが求められます。
柔軟性と衝撃吸収性
高温下で硬化しにくいゴムを選ぶこと。
用途によっては、低温での柔軟性も要求される場合があります。
経済性と加工性
使用環境に対して過剰な性能が不要な場合、コストと加工性も大きな判断材料となります。
まとめ
いかがでしたか?
耐熱ゴムパッキンは、使用環境に合った適切な素材を選ぶことで、長期的に安定した性能を発揮します。
高温環境での劣化を防ぐためにも、ゴムの種類や特性をしっかりと理解し、用途に最適なものを選ぶことが大切です。
少し手間をかけて選定することで、より安全で効率的な作業が実現できます。
自分の使いたい環境にぴったりのゴムパッキンを見つけて、長く使える安心感を手に入れましょう!
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