ものづくりプレス

2025-06-18

オイルシールの役割と基本構造|密封性能を最大化する設計とは?

オイルシールは、機械の回転部分に取り付けられ、オイルやガスの漏れを防ぐ重要な部品です。

これにより、機械の内部にほこりや水分などの異物が侵入するのを防ぎ、長期間にわたって安定した稼働をサポートします。

自動車をはじめ、飛行機や船、建設機械など、さまざまな機械に使用されており、特に自動車のエンジン部分では欠かせません。


本記事では、オイルシールの設計や役割について詳しく紹介し、どのような素材が使用されているのか、それぞれの用途に合わせた選び方についても解説します。

オイルシール

オイルシールとは

オイルシールは、主に機械の回転する部分に取り付けられるパッキンで、機械の隙間を密閉してオイルやガスの漏れを防ぐ役割を果たします。

また、ほこりや砂、水分などの異物が内部に入るのを防ぐため、機械が長持ちするためには欠かせない部品です。

オイルシールは、車や飛行機、船、鉄道車両、建設機械、農業機械など、さまざまな機械に使われています。

特に自動車では、シャフトやエンジン部分に使われており、エンジンだけでも60か所以上で活躍しています。

オイルシールの構造

オイルシールは金属とゴムでできており、いくつかの部品から成り立っています。

金属環はオイルシールをしっかり固定する役目を果たし、リップと呼ばれるゴムの部分が回転する軸と接して隙間をぴったりと密封します。

そして、バネがリップをしっかり軸に押し付けて、密封性を高める仕組みです。

こうした構造により、オイルやガスが漏れるのを防ぎ、外部からの異物の侵入も防ぐことができるのです。

オイルシールに使われる素材

オイルシールに使われる素材は主に「合成ゴム」です。

でも、合成ゴムにもいろんな種類があり、その中でも特に「ニトリルゴム(NBR)」がよく使われています。

ニトリルゴムは、オイルシールだけでなく、パッキンやガスケット、印刷ロールなどにも使われていて、耐油性や耐摩耗性、耐老化性が優れているため、非常に信頼性が高い素材です。

ニトリルゴムのオイルシールには、一般的なものからガソリンに強いもの、寒さに強いもの、食品に使えるものなど、用途に合わせた種類があります。


もし、高温や低温に強いオイルシールが必要な場合は、「シリコーンゴム(VMQ)」がおすすめです。

シリコーンゴムは、主にシーリング剤として使われ、高速回転する部分などでよく活躍します。

ただし、水蒸気やガソリンには使えないので、使用環境に注意が必要です。


また、似た素材に「フッ素ゴム(FKM)」もあり、これは耐熱性や耐薬品性、耐油性に優れており、使える範囲が広いですが、シリコーンゴムほど耐寒性は高くありません。


さらに、合成ゴムでは対応できない条件で使われるのが「テフロン」です。

テフロンは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性が非常に高く、適用温度も幅広いですが、ゴムではないためシール性能が少し劣る点に注意が必要です。


このように、オイルシールにはいろいろな素材が使われているので、購入する際には用途に合った素材を選ぶことがとても大切です。

まとめ

いかがでしたか?

オイルシールは、機械が長持ちするために欠かせない重要な部品です。

正しい素材や設計を選ぶことで、より効率的に機械の性能を発揮させることができます。

もしオイルシールの交換や選び方に悩んでいる場合は、ぜひ用途に合った素材を選ぶことを意識してみてください。

適切なオイルシールを使うことで、機械の寿命を延ばし、トラブルを未然に防ぐことができますよ。