ものづくりプレス
2025-07-05
ゴム焼付とは?金属との接着技術とその応用分野
ゴムの焼付成形(加硫接着)は、未加硫のゴムを金属などの異素材と強固に結びつける技術です。
一般的な接着剤を使った方法とは異なり、加硫(ゴムを硫黄などの加硫剤と反応させて硬化させる工程)と接着を同時に行うため、高い接着強度と耐久性を実現できます。
この技術は、自動車部品、工業用部品、医療機器など幅広い分野で活用されており、特に過酷な環境でもしっかりと固定できる点が大きなメリットです。
本記事では、ゴムの焼付成形の仕組みや工程、活用時の注意点について詳しくご紹介します。
ゴム焼付の方法
ゴムの焼付成形(加硫接着)は、加硫前のゴム材料(ゴムコンパウンド)をシート状にし、表面をザラつかせた金属板や丸棒などの母材に貼り付けた状態で、加熱・加圧して加硫する方法です。
最近では「ゴムライニング」と呼ばれることが多いですが、「ゴム焼付」や「加硫接着」とも言われています。
この方法では、母材に取り付けた状態でゴムを加硫するため、ゴムと母材の結びつきが非常に強くなります。
例えば、ゴムローラーやチャックの滑り止めなど、摩擦のかかる場面でも、ゴムが剥がれる前に摩耗してしまうことがほとんどです。
もしゴムがすり減って使いにくくなった場合でも、古いゴムを剥がして新しいゴムを焼き付け直す「再ライニング」ができるので、繰り返し使うことが可能です。
ゴム焼付の応用分野
自動車産業
エンジンマウントやホース、ゴムシールなど、自動車部品の製造に広く使用されています。
耐久性や振動吸収性が求められる部品に最適です。
医療機器
防振ゴムや密閉部品など、医療機器の製造にも利用されています。
特に高い衛生基準が求められる環境での使用に適しています。
工業用部品
ポンプ用ダイヤフラムやアイソレーターなど、耐久性と密閉性が必要な工業用部品に活用されています。
建設機械
建設機械の部品では、耐圧性や耐衝撃性が重要であり、ゴム焼付技術がその性能を支えています。
家電製品
家電製品の防振部品や密閉部品にも使用され、製品の耐久性と性能向上に寄与しています。
ゴム焼付は、異素材間の強固な接着を実現することで、製品の信頼性を高める重要な技術です。
まとめ
ゴムの焼き付け成形(加硫接着)は、異なる素材をしっかりと固定する優れた接着技術です。
特に、自動車部品や医療機器、工業用部品など、さまざまな応用分野で活用されており、耐久性や密閉性を必要とする場面で欠かせない技術となっています。
また、ゴムが摩耗した場合でも「再ライニング」を行えば、繰り返し使用できるため、コスト削減や環境負荷の軽減にもつながります。
このように、ゴム焼き付け成形は、異素材をしっかり結びつけ、製品の信頼性を向上させる重要な役割を果たしています。
今後も、その特性を活かして、さまざまな分野で活躍し続けることでしょう。
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