ものづくりプレス
2025-10-06
【比較】 液状シリコンゴムと一般的なシリコンゴムの違い
液状シリコンゴムとは?一般的なシリコンゴムとの基本的な違い
液状 シリコン ゴム(LSR:Liquid Silicone Rubber)は、低粘度の2液性材料で、自動混合・射出に適したシリコーンエラストマーです。常温では流動性が高く、金型内で短時間に硬化(加硫)するため、バリが少なく安定した寸法精度を得やすいのが特徴です。
一方で、一般的なシリコンゴムはHTV(High-Temperature Vulcanized)/固体シリコンと呼ばれるペースト〜固形の材料が中心。ロール練りやカレンダー、加圧成形・押出などの工程で加工し、幅広い硬度や色、耐熱グレードに対応します。
基本の相違点は「材料の状態と加工プロセス」。液状 シリコン ゴムは自動化・高精度向き、一般的なシリコンゴムは厚肉品・大型品・押出品など多用途に強みを持ちます。
製造・加工方法の違い
液状シリコンゴムの射出成形(LIM:Liquid Injection Molding)とは
- 2液(A/B)を計量混合し、冷却ランナー経由で金型に射出。
- 型内で短時間に加熱硬化し、脱型→次ショットへ。自動化しやすく、液状 シリコン ゴムは小型・精密・薄肉の連続生産に適します。
- バリやロスが少なく、クリーンルーム対応もしやすい。
一般的なシリコンゴムの加圧成形・押出成形との違い
- HTVはロール練りで配合調整後、加圧成形(コンプレッション/トランスファー)や押出で成形。
- 厚肉・大型・長尺(チューブ、ホース、シート、ガスケット)などに適し、金型費や設備の自由度が高い。
量産性・精密性・コスト面での比較
- 量産性:小物・多ショットはLIMが有利。連続自動化でサイクル短縮。
- 精密性:LIMは寸法再現性が高く、微細形状・複雑形状に強い。
- コスト:成形サイクルはLIMが短い一方、設備・金型初期費が高め。少量多品種・大物はHTVの方が経済的なケースも。
物性・性能の違い
耐熱性・耐寒性・耐薬品性の比較
- 両者ともシリコーン特有の広い温度範囲(例:-50〜200℃級)で弾性を維持。高耐熱グレードの設定はHTV・LSRとも可能。
- 耐薬品・耐候・電気絶縁性はいずれも良好。液状 シリコン ゴムは等級管理が明確で、食品衛生・医療グレードの取得が容易な傾向。
柔軟性・透明性・経年劣化への強さの違い
- LSRは低硬度域でもベタつきが少なく、透明性に優れる配合が豊富。
- HTVは充てん剤・添加剤の選択肢が広く、力学特性(引張/引裂)を高めやすい。
- いずれも耐候・耐オゾン・低圧縮永久ひずみが良好で、長期信頼性に優れます。
医療・食品・電子機器など用途ごとの適性
- 医療/食品:LSRは清浄性・トレーサビリティ・自動化生産に適し、カテーテル部材、乳児用ニップル、ガスケットに最適。
- 電子機器:微細シール、キー・スイッチ、光学部材にLSR有利。耐熱配線シースや耐熱チューブはHTVの押出が強み。
- 産業用途:厚肉パッキン、ロール被覆、シートなどはHTV。微細・複雑形状の大量生産はLSR。
用途と選び方のポイント
液状シリコンゴムが選ばれるケース(精密部品・医療機器・ベビー用品など)
- 微細形状・薄肉・複雑形状の一体成形、インサート成形やオーバーモールド。
- 衛生要件が厳しい製品(医療・食品・ベビー)。クリーン生産・自動化により品質の均一化が可能。
一般的なシリコンゴムが適するケース(パッキン・ホース・耐熱部品など)
- 長尺押出、厚肉大型品、ロールやシート類などスケールメリットが出る製品。
- 少量多品種・頻繁な配合変更が必要な試作〜中ロット。
コスト・生産量・品質要求に応じた選定のコツ
- ロット/投資:量産・自動化重視なら液状 シリコン ゴム(LIM)。初期金型費を許容できるかが鍵。
- 製品要件:寸法精度・透明性・清浄性重視=LSR、厚肉・長尺・耐熱配管=HTV。
- サプライ体制:クリーンルームや混合・脱気・計量の品質管理体制を事前に確認。
まとめると、液状 シリコン ゴムは「精密・清浄・自動化」に最適、一般的なシリコンゴムは「大型・長尺・多用途」に強み。製品の要求性能、数量、コスト、製造環境を整理し、最適な材料と成形プロセスを選定しましょう。
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