ものづくりプレス

2026-09-26

多品種少量のゴム部品を調達する|対応先を選ぶ4つの視点

扱う部品の種類は多いが、それぞれの数量は少ない。大手メーカーに相談しても「量が少なくて対応できない」と断られることが続いている。設備保全や多品種生産の現場で、こうした調達の壁に直面することがあります。

この記事では、多品種少量のゴム部品を調達する際に、対応先を選ぶ4つの視点を整理します。当社の多品種少量対応の公開情報を土台にしています。

作成者 久保(富士ゴム化成株式会社) 会社情報

作成日 2026年9月28日 最終更新日 2026年9月28日 本記事は2026年9月時点の情報です 読了時間 約8分

多品種少量が断られやすいのは、なぜですか?

大量生産を前提にした生産ラインでは、品目を切り替えるたびに段取り替えの手間がかかります。この手間が少量の利益を上回ってしまうため、少量・多品種への対応が難しくなる仕入先があります。

当社の公式ページでは、次のような悩みが挙げられています。

「多品種少量のため、在庫の圧縮やコストを低減したい」

工法によって、少量への向き不向きが分かれる

金型成形の中でも、コンプレッション成形は構造がシンプルで、少量生産や他機種への取付など柔軟な対応が可能とされています。一方、射出成形は自動化・大量生産に向き、少量生産には行えないとされています。工法を選ぶ段階で、少量への対応力が分かれます。

多品種少量に強い会社を、どう見分けるか

「多品種少量対応」を謳っているだけでなく、実際にどの工法で対応しているかを確認することが、見分け方の1つになります。少量に柔軟な工法を持っているかどうかが判断材料です。

出典:富士ゴム化成「切削加工・3Dプリント」ページ掲載のお客様の悩み(自社情報・2026年9月確認)。

対応先を選ぶ4つの視点は、何ですか?

少量に柔軟な工法を持っているか、品目ごとに窓口が変わらないか、検査体制、相談のしやすさの4つです。この4つを確認することで、多品種少量の調達先として適しているかが見えてきます。

視点 確認すること 確認できると分かること
工法の柔軟性コンプレッション成形など少量向き工法の有無少量への対応力
窓口の一貫性品目が増えても同じ担当者か調整の手間
検査体制品目ごとの検査水準に対応できるか品質の一貫性
相談のしやすさ図面が無い品目にも対応するか調達の負担

窓口が一貫していると、多品種の管理が楽になる

品目ごとに担当者や仕入先が変わると、確認や検査基準のすり合わせを毎回繰り返すことになります。窓口が一貫していれば、複数品目をまとめて管理でき、調達側の負担が減ります。担当者が変わるたびの引き継ぎロスも防げます。

図面が無い品目も、現物調査から進められるか

多品種少量の調達では、一部の品目で図面が失われていることがあります。現物調査から図面を起こせる仕入先であれば、こうした品目も含めてまとめて相談できます。

なお、ゴムは同じ材質名でも配合によって成形のしやすさが変わり、材質によって収縮率も異なるため、公差の考え方は品物ごとに決めていく必要があります。当社は用途に合う材料を選ぶ立場で関わり、材料の配合そのものは材料メーカーの領域です。そのため材質名のご指定だけでなく、使用条件(温度・接触するもの・圧力・使用時間)もあわせてうかがっています。

数量が品目ごとに違う場合、どう進めますか?

品目ごとに数量の見込みを整理し、それぞれに適した工法を検討します。将来数量が伸びる品目と、少量のまま続く品目が混在していても、まとめて相談できます。

多品種少量のゴム部品調達を品目の整理から工法決定まで4段階で進める流れを示す図 図1 多品種少量の調達を整理する4段階 STEP 1 品目を整理 図面か現品を まとめる STEP 2 数量を整理 品目ごとの 見込みを出す STEP 3 工法を検討 品目ごとに 適した工法 STEP 4 まとめて相談 窓口を 一本化 品目ごとにバラバラに相談するより、まとめて整理してから相談するほうが効率的です。

在庫の圧縮も、調達の見直しとあわせて検討できる

当社のお客様の悩みには「多品種少量のため、在庫の圧縮やコストを低減したい」という声があります。発注ロットの見直しや、必要なときに必要な分だけ調達する体制への切り替えも、あわせて相談できます。在庫の持ち方全体を見直すきっかけにもなります。

相見積もりでも、品目リストをそろえて出す

複数社に相談する場合、品目リストと数量を同じ内容で各社に伝えることが比較の前提になります。当社は相見積もりを歓迎しています。

出典:富士ゴム化成「切削加工・3Dプリント」ページ掲載のお客様の悩み(自社情報・2026年9月確認)。

検討する際、何を優先しますか?

品目数が多いほど、まとめて対応できる仕入先を選ぶメリットが大きくなります。窓口の一貫性と工法の柔軟性を優先することで、調達全体の負担を減らせます。

多品種少量の調達を品目ごとに仕入先を分けた場合とまとめた場合の違いを対比した図 図2 品目ごとに仕入先を分けた場合と、まとめた場合 まとめて依頼 品目ごとに分けた 窓口が1つで済む 検査基準が統一される 在庫圧縮も相談しやすい 確認の往復が減る 窓口が複数になる 検査基準がばらつく 在庫圧縮の相談がしにくい 確認の往復が増える すべての品目を1社にまとめる必要はありませんが、まとめられる範囲を検討する価値はあります。 品目数が少ない場合と多い場合とでまとめて依頼する効果の大きさが変わることを示す図 図3 品目数の多さで、まとめる効果の大きさが変わる 品目数が少ない 品目数が多い 品目数が多いほど、窓口をまとめることで得られる負担軽減の効果が大きくなる。 品目が少ない場合も、まとめて相談すること自体は可能です。

工場視察や監査で、多品種対応の実力を確認できる

当社では必要に応じて工場視察や監査に対応しています。多品種の切り替えがどのように行われているか、検査体制も含めて現地でご確認いただけます。

海外拠点が関わる品目は、対応範囲を確認する

当社は中国に富積貿易(杭州)有限公司を置き、上海市および江蘇省などにローカル提携工場があります。品目によって国内対応か海外拠点が関わるかが変わるため、まとめて相談する際は対応範囲もご確認ください。

自社の多品種少量調達は、どこまで整理できていますか?

当てはまる項目が多いほど、調達先を見直す価値があります。下のチェックは診断ではなく、4つの視点のどれが未確認かを確かめるための整理です。個人情報の入力はありません。

多品種少量調達の整理チェック(6項目)

当てはまるものにチェックを入れてください。

当てはまる数を数えて、下の早見表をご覧ください。

当てはまった数でみる読み取り方
当てはまる数読み取り方
0〜1個整理が進んでいます。まとめての相談に進めます。
2〜3個一部が未整理です。品目リストの作成から始めてください。
4〜6個整理から始める段階です。まず扱っている品目を洗い出すことをおすすめします。

段階的にまとめていく進め方もある

すべての品目を一度にまとめる必要はありません。まず数品目から相談を始め、対応の様子を見ながら徐々にまとめる範囲を広げる進め方も現実的です。無理にすべてを一度に切り替える必要はありません。

過去の不具合の履歴も、品目ごとに整理しておくと役立つ

品目ごとに過去に出た不具合があれば、それも一緒に整理しておくと、まとめて相談する際の材料になります。どの品目で、どんな問題が起きたかが分かれば、検査項目の設計にも反映できます。思い出せる範囲で構いません。

多品種少量のゴム部品調達について、よくいただくご質問は?

まとめての相談、工法の混在、少量が断られる理由、見積りにかかる時間、数量が品目ごとに違う場合についてのご質問が多く寄せられます。実際にいただくことの多い5つをまとめました。

多品種少量でも、まとめて相談できますか?
できます。当社は多品種少量を得意としており、複数品目をまとめてご相談いただけます。品目ごとの図面や現品があれば、それぞれお送りください。

品目ごとに工法が違っても対応できますか?
できます。金型成形、切削加工、3Dプリントなど、品目や数量に応じて工法をご提案します。同じ発注の中で複数の工法が混在しても問題ありません。

少量ロットは、大手メーカーでは受けてもらえないことがあります。なぜですか?
大量生産を前提にしたラインでは、少量・多品種への切り替えに手間がかかるため、対応が難しいことがあります。当社はコンプレッション成形のように少量に柔軟な工法を持っています。

品目が多いと、見積りに時間がかかりますか?
品目数によって確認事項は増えますが、図面や現品をまとめてお送りいただければ、順次確認を進めます。

将来的に数量が増える品目と、少量のまま続く品目が混在していてもよいですか?
問題ありません。品目ごとに数量の見込みをお知らせいただければ、それぞれに適した工法をご提案します。

相談するとき、何をそろえればよいですか?

品目ごとの図面(または現品)、使用条件、数量があれば話を始められます。すべての品目で情報がそろっていなくても構いません。決まっている品目から順にご相談ください。品目数が多い場合はリスト形式でお送りいただくと、確認がスムーズです。

そろえるもの 内容 無い場合
図面寸法や形状が分かるもの現品があれば現品で代替できます
仕様・用途どこに使い、何を止めるか使用条件を口頭でうかがいます
数量今回必要な数と年間見込み概算でかまいません
材料・材質ご希望の材質があれば使用条件から候補をご提案します

多品種少量のゴム部品調達を相談する

品目数が多い段階でも、情報が一部だけでも構いません。扱っている品目をお知らせいただければ、進め方をご提案します。

見積りを依頼する

多品種少量のゴム部品を調達する|対応先を選ぶ4つの視点

記事検索

NEW

  • 樹脂のインサート成形を依頼する|相談前に整理する4つの点
    2026/09/26
    樹脂のインサート成形を依頼する|相談前に整理する4つの点
    金属部品と樹脂部品を接着...
  • 焼付成形でゴムと金属を接着する|相談前に整理する4つの点
    2026/09/26
    焼付成形でゴムと金属を接着する|相談前に整理する4つの点
    金属部品にゴムを貼り付け...
  • 価格調査目的の見積り依頼の見分け方|受け手側からの視点
    2026/09/26
    価格調査目的の見積り依頼の見分け方|受け手側からの視点
    新しい部品の予算感をつか...
  • 原材料高騰時のコストダウン手順|見直す4つの切り口とは
    2026/09/26
    原材料高騰時のコストダウン手順|見直す4つの切り口とは
    原材料の高騰で仕入れコス...

CATEGORY

ARCHIVE