ゴム
2022-02-25
フレキシブルジョイントとは
フレキシブルジョイントとは、フレキシブル(Flexible)の名前のとおり、製造現場のさまざまな環境に応じた柔軟な使い方ができる管や継ぎ手のことです。
当記事ではフレキブルジョイントの特徴や主な用途、使用場所、種類について解説します。
フレキシブルジョイントの特徴と用途
フレキシブルジョイントとは、金属製の配管やフランジのような強固かつ変形がないパーツではなく、ある程度柔軟な動きを可能とした管や継ぎ手です。
フレキシブルジョイントの名前に入っている「フレキ」は、Flexibleという「変形可能な、柔軟な」を意味する英単語からきています。簡単に言えばホースや鞭のように「柔らかくかつある程度の伸縮可能なもの」というイメージでしょうか。
フレキシブルジョイントはよくストローとして例えられます。ストローには折り曲げられるようにギザギザの部分がありますが、そのギザギザによって生まれる柔軟性や伸縮性などを管や継ぎ手として利用しています。
フレキシブルジョイントの使用目的
フレキシブルジョイントの使用目的は主に次のとおりです。
- 配管同士のつなぎ合わせを簡単にする
- 配管の熱膨張を吸収する
- 地震や機械振動などの外部からの振動・圧力を吸収する
おおまかにまとめると、フレキシブルジョイントの使用目的は「発生する力や動きを吸収すること」になります。
設備や機械、配管などに発生する伸縮や偏心(本来あるべき中心点から位置がずれている状態)、運動などにともなって発生するエネルギーをうまく散らすことで、対象物の保全や作業性などを向上させることが可能です。以下ではそれぞれの詳細を見ていきましょう。
なお使用用途や場所によって、金属やゴム、樹脂などの素材が使い分けられます。
配管の熱膨張を吸収する
製造現場では、機械熱や生産にともなう熱の発生などが要因で、配管や機械が熱膨張(冷えるときは収縮)を起こして体積が変化することは珍しくありません。
このとき配管や機械の間にすき間やたわみなどの余裕が存在しない場合、熱による伸縮の影響を受けて双方に圧力がかかると、破損や変形に繋がる可能性があります。
そこで機械と機械、配管と配管および機械と配管などの間にフレキシブルジョイントを用いることで、著しい温度変化による熱膨張(冷却による収縮)が発生しても、体積の変化を吸収することが可能です。
フレキシブルジョイントはそうした熱の変化が大きな現場に対応するため、耐熱性が高いタイプも多く存在します。
機械振動や地震などの外部からの振動・圧力を吸収する
ポンプを始めとする製造機器には、起動することで常に振動が発生するタイプが存在します。もし振動する製造機器とつながっている設備や機械があると、その振動が原因で故障や破損につながる可能性があります。
そこでフレキシブルジョイントを用いてポンプやモーターと製造設備をつなぐことで、フレキシブルジョイントの柔軟性や伸縮性によって、振動の力を吸収することが可能です。また大型のフレキシブルジョイントは建築物同士をつなぐ配管や免震設備に用いることで、免震設備としての役割を担うこともあります。
さらに振動だけでなく、機械の移動や変形などにともなうエネルギーを吸収できる役割も持ちます。
上記のように、多くの変位吸収に対して強みを持つのがフレキシブルジョイントの大きな特徴です。
フレキシブルジョイントの使用場所
フレキシブルジョイントの具体的な使用場所は次のとおりです。
- 運動にともなって振動が発生する機器の出入り口
- 可動する製造機器の周辺
- 破損の恐れかつ中身の漏洩が致命的になるタンクや機械の出入り口
- 熱を伴う現場や寒い日にも外に置いておく必要がある現場などの熱変化が大きい箇所
など
フレキシブルジョイントの種類
フレキシブルジョイントの具体的な形状(素材)は、主に次のとおりです。
ベローズ(蛇腹・ジャバラ) | ストローやアコーディオンのように山の部分と谷の部分を交互に並べる構造にすることで曲げを容易にしたもの |
---|---|
スパイラル | ベローズと似ているものの山の部分が連続してつながっているもの |
ブレード | 細かいワイヤーを編み合わせて柔軟性を得たもの |
ゴムフレキ | 素材であるゴム自体の柔軟性や伸縮性を生かしたもの |
フッ素樹脂 | 伸縮性が若干劣るものの柔軟性や耐薬品性が高い樹脂を使用したもの |
など
なお、フレキシブルジョイントを「可(加)とう管」や「可(加)とう継手」、「可(加)とう伸縮継手」と呼ぶこともあります。
また継ぎ手の部分の形状には、主にフランジ型とネジ型が存在します。
継ぎ手部分の形状 | 概要 |
---|---|
フランジ型 |
|
ネジ型 |
|
なお、富士ゴム化成株式会社では、洗面器トラップ用や掃除流し用などの水回り関係や、改修工事用ジョイントなども取り揃えています。
フレキシブルジョイントは製造現場には欠かせない部品!
設備機械の配管の位置ズレや発生する熱、振動の影響が大きな製造現場において、柔軟性や力の吸収などに寄与するフレキシブルジョイントは、今や欠かせない存在といえます。
なお細かい形状はメーカーごとで変わったり、必要であればオーダーメイドができたりするので、一度依頼先にお問い合わせください。自社製造現場に特化したオリジナルのフレキシブルジョイントがあれば、作業の効率化や問題解決につながるはずです。
製品に関するご質問、製品開発に関することはなんでもご相談ください。
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