ものづくりプレス

2024-12-20

ザグリ加工(皿穴加工)とは?

ザグリ加工または皿穴加工は、ネジやボルトを取り付けた際、その頭部が素材の表面よりも下に沈むように加工する方法です。この加工によって、ネジ頭が表面から突出することなく、滑らかな仕上がりになります。特に製品の見た目を美しく整え、安全性を高める効果もあるため、「皿穴加工」や「皿揉み加工」とも呼ばれています。一般的には、まずドリルでネジ穴を開け、その後エンドミルを使用してザグリ加工を行いますが、専用の工具を用いることで、一度の作業で同時に行うことも可能です。例えば、ザグリドリルや段付きドリルは、ネジ穴とザグリ加工を一度に実施し、作業効率を向上させます。


ザグリ加工(皿穴加工)とは?

ザグリ加工・皿穴加工の仕組み

ネジやボルトの頭部が表面に突出していると、引っかかりやケガの原因になることがあり、製品の美観や安全性に悪影響を与える可能性があります。そのため、表面から頭部を引っ込めるためにザグリ加工が行われます。たとえば、機械部品や外装パネルなど、接触が多い部分にはザグリ加工が施されることが一般的です。さらに、表面がざらついたままだと突出したネジ部分が不意に緩むリスクが増しますが、ザグリ加工によって表面を平坦に整えることで、力が均一に分散し、ネジやボルトの緩みを抑えます。この仕組みによって、製品全体の安定性が高まります。


ザグリ加工・皿穴加工の特長

ザグリ加工は、金属だけでなく木材や樹脂など、さまざまな素材に対応できる汎用的な加工方法です。特に木材を用いた家具などでは、ネジ頭を隠すための加工として広く利用されており、表面の仕上がりが滑らかになることで、製品の安定性が向上します。DIY家具の製作でも、ザグリ加工を施すことで組み立て時の引っかかりが軽減し、見た目が整います。また、ザグリ加工があることで、積み重ねや接続時のずれが少なくなり、製品同士のフィット感が増すため、組み合わせや設置時の安定性も向上します。


ザグリ加工・皿穴加工のメリット・デメリット

メリット
ザグリ加工を施すことで、ネジやボルトの頭部が表面から突出せず、引っ掛かりやケガのリスクが低減されます。さらに、加工により表面が平坦になることで、組み合わせや設置時の安定性が向上し、製品の外観も美しく整います。また、ネジやボルトの緩み防止にも効果があり、長期間の使用でも安定した接続が保たれます。


デメリット
一方で、ザグリ加工と穴開けを別々に行う場合、作業工程が増えるため工数が増加し、位置精度を慎重に確認する必要があります。専用の工具を用いて両工程を同時に行うことで作業効率は上がりますが、工具の追加投資が必要となります。さらに、頻繁にネジやボルトを取り外す用途では、ザグリ加工の形状によってはレンチが使えず、適切なドライバーなどの専用工具が必要となる点もデメリットです。


ザグリ加工の方法

ザグリ加工は、一般的には次の工程で行われます。まず、ドリルを使用してボルト用の穴を開け、その後エンドミルを使ってザグリ加工を施します。この順番により、ネジやボルトが確実に収まるように調整され、最適な位置精度が得られます。また、加工業者や用途によっては、ザグリ加工を効率化するためにザグリドリル(段付きドリルやドリル付沈めフライス)と呼ばれる専用工具が用いられます。この工具は、穴あけとザグリ加工を一度に行うことが可能であり、工具の切り替えが不要になるため、作業工程が効率化され、製造コストの削減にも寄与します。ただし、ドリルとフライス部分が一体化しているため、加工寸法に対する柔軟性が限られており、調整が難しい場合がある点も考慮が必要です。


記事検索

NEW

  • エンジニアリングプラスチック
    2025/03/21
    エンジニアリングプラスチックの進化!軽量化と高強度の両立が可能に
    スーパーエンプラは、軽量化...
  • 硬そうなタイヤ
    2025/03/20
    ゴムの硬度で何がわかる?計測方法や硬さの目安
    ゴムが持つ硬さの度合いを数...
  • フッ素樹脂
    2025/03/20
    フッ素樹脂が注目される理由!環境負荷を減らす新たな用途
    フッ素樹脂と聞くと、フライ...
  • 射出成形
    2025/03/19
    射出成形における新技術!効率化と品質向上の鍵を握るポイント
    射出成形は、プラスチック製...

CATEGORY

ARCHIVE