ものづくりプレス

2024-12-28

真空成形と圧空成形の違い

圧空成形は、主にプラスチックシートを成形する技術で、シートを加熱して柔らかくした後、圧縮空気を用いて型に密着させ、冷却することで形状を固定します。この方法は真空成形と似ていますが、圧縮空気を使用することで型との密着が強く、細かい部分までより正確に形状を再現できる点が特徴です。


真空成形と圧空成形の違い

圧空成形の特徴

圧空成形には次のようなメリットがあります。


1.短い製作期間:圧空成形は、金型を迅速に製作できるため、製作期間が短縮できます。また、試作品から量産までスピーディに対応可能です。
2.選べる材質:生産量に応じて最適な材質を選べるため、コストとパフォーマンスを両立できます。
3.射出成形に近い表面仕上げ:圧縮空気の使用により、表面が滑らかで美しい仕上がりになるため、外装部品などデザイン性が求められる製品に適しています。
4.金型コストの安さ:射出成形と比べると金型コストが低く、試作や小ロットの生産に向いています。ただし、真空成形よりは若干コストが高い場合があります。


圧空成形と真空成形の違い

・真空成形は、加熱した樹脂シートを型に合わせて密着させる際に、型とシート間の空気を吸引して真空状態にします。これにより、シートが型の形状に沿って形作られ、冷却してから固定されます。


・圧空成形は真空成形と同様にシートと型を密着させるものの、さらに圧縮空気を用いて密着力を高める手法です。これにより、型の細かいディテールまで再現可能で、真空成形よりも複雑で精密な形状に対応できます。


圧空成形と真空成形の適用分野の違い

圧空成形は、よりデザイン性や精密さが求められる場合に適しています。例えば、細かいラインや曲線、立体的な形状が求められる製品には圧空成形が活躍します。一方、真空成形は、素材の透明感や光沢などを活かした加工物が求められる際に適しており、素材の特性を引き立てたい場合に利用されることが多いです。


幅広い応用分野

どちらの成形技術も、医療機器、電子機器、農業機器、鉄道車両の外装部品、レジャー関連製品など多様な分野で利用されています。特にデザイン性や精密さが求められる製品では圧空成形が選ばれ、コストパフォーマンス重視の製品では真空成形が多く利用されています。


真空成形と圧空成形の違い

真空成形の製品例


 1.家電製品:テレビの外装カバー、冷蔵庫の内部構造部品など、耐久性が必要で外装の透明感が要求されるパーツに使用されます。
 2.医療機器:医療用トレイや器具のカバーに用いられ、器具の保護や使い勝手向上のために活躍しています。
 3.車両部品:ダッシュボードやインパネといった自動車内装に採用され、機能性とデザイン性の両立が求められる場所で使用されています。


圧空成形の製品例


 1.デザイン性の高い製品:高級時計のディスプレイケースや、デザインモデルなど、見た目の美しさと細部の精密さが求められる製品に活用されます。
 2.精密機器の外装:精密機器や電子機器の外装カバーで、特に寸法精度や高いクオリティが必要とされるケースで多く採用されています。


これらの成形技術は、製品の要件に応じて適切な加工方法を選ぶことで、効率的な製造と高い品質を実現します。


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