ものづくりプレス
2024-12-08
合成ゴムSBRの基礎知識 その製造方法と特徴
スチレンブタジエンゴム(sbr)は、スチレンとブタジエンの共重合によって生まれる合成ゴムで、コストの低さと高い加工性が魅力です。
天然ゴムに近い特性を持ちながら、異物が少なく品質も安定しているため、合成ゴム市場で最も大量に生産・消費されています。
自動車のタイヤから工業製品、日常用品まで、さまざまな用途に広がっています。
本記事では、そんなsbrゴムについて詳しく解説していきます。
sbrとは?
sbrはスチレン(styrene)とブタジエン(butadiene)を共重合して作られた合成ゴムです。
このスチレン・ブタジエンゴムは天然ゴムに近い特性を持ちながら、コストが低いため、合成ゴムの中で最も大量に生産され、消費されています。
また、品質が安定しており、異物も少なくなっています。
製造方法
SBRには、乳化重合によるタイプ(E-SBR)と溶液重合によるタイプ(S-SBR)の2つの製造方法があります。
乳化重合SBR(E-SBR)
このタイプはラジカル重合によって作られ、一般的にはスチレン含有量が23.5%です。
タイヤや防振ゴム、一般的な工業用品に広く使用され、E-SBRの生産量はSBR全体の約80%を占めています。
溶液重合SBR(S-SBR)
アニオン重合を用いて製造されるこのタイプは、E-SBRに比べて分子構造の自由度が高く、特定の目的に応じてポリマー構造や末端修飾を選択できます。
そのため、生産量は徐々に増加しており、制動性と低燃費性を兼ね備えた低燃費タイヤなどに利用されています。
sbrゴムの特長
スチレンブタジエンゴムのデータは一般的な配合に基づいており、配合によっては異なる結果が得られる場合があります。
特徴
優れた加工性と安定した品質
SBRは物性のばらつきが少なく、加工性が高いことが特長です。
また、耐熱性、耐摩耗性、耐老化性も優れています。
天然ゴム(NR)は高分子量成分を含むため素練りが必要ですが、SBRは適切な粘度に調整されているため、素練りなしで混練りが可能です。
生産・消費量が最大
合成ゴムの中でも最も多く生産・消費されている材料です。
耐候性の弱点
SBRは二重結合を持っているため、耐候性には欠けています。
長所
物性のばらつきが少なく、加工性が優れており、耐熱性、耐摩耗性、耐老化性も良好です。
NRに比べて素練りなしで混練りができるため、加工が容易です。
短所
機械的強度はNRに劣るため、強度面での制約があります。
加硫速度が遅く、NRよりも多くの加硫促進剤が必要です。
二重結合を有するため、耐候性が低いという欠点があります。
スチレン含量によるグレードの違い
E-SBR
スチレン含有量が高まると、ベンゼン環の影響で分子間力が強化され、引張強度が増加しますが、分子鎖の熱運動が抑制されるため、弾性や耐寒性が低下します。
S-SBR
分子量や分子量分布、ブタジエン部分のミクロ構造などの設計自由度が高く、ブタジエン部分のビニル量を約10~80%の範囲で調整できるため、スチレン含量との組み合わせでガラス転移温度(Tg)を変えることが可能です。
sbrの用途
SBRは機械的強度や耐摩擦性などの性能バランスが優れており、加工性にも優れているため、自動車のタイヤや防振ゴム、一般工業製品など幅広いゴム製品に使用されています。
しかし、耐油性が低いため、パッキンやオイルシールには適していません。
以下はSBRが使用される主な分野と製品の例です。
自動車部品:タイヤ、サイドウォール、カーカス
工業用品:ベルト、ホース、ブロックゴム
日用雑貨:運動用品、履物
まとめ
sbrは、その優れた性能と広範な用途から、多くの産業で不可欠な材料となっています。
今後も新たな技術革新や市場ニーズに応じて、SBRの利用がさらに拡大することが期待されます。
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