ものづくりプレス

2024-12-28

アクリル樹脂の需要減少?撤退・生産削減相次ぐ

最近、大手化学メーカーがアクリル樹脂の原料「MMAモノマー」や「PMMA」の生産方法を見直し、効率的な体制に改善を進めています。
背景には、国内外での需要減少や、中国を中心に供給が過剰になっている状況があります。
その中で、企業は短期的な調整だけでなく、環境に配慮した技術を取り入れて、製品の付加価値を高め、差別化を図る戦略を採用しています。
この記事では、各企業の最新の取り組みについて詳しく紹介します。

ラボ

MMAとPMMA生産の最適化

大手化学メーカーがアクリル樹脂の原料「MMAモノマー」やアクリル樹脂「PMMA」の生産方法を見直し始めています。
各社は、世界的な市場の変化に対応するために、事業の縮小や生産能力の削減を行い、より効率的な体制に改善しています。
しかし、短期的な調整だけでなく、長期的には自社の強みを生かして差別化を図り、例えば環境に優しい技術を取り入れて、製品の付加価値を高めることを目指しています。

MMAとは

MMAは、車のランプカバーや塗料、建材などでよく使われる素材で、透明で耐久性があり、加工もしやすく、さらにリサイクルも可能という特徴を持っています。
日常生活の中でも、よく目にする素材の一つです。

MMA削減の背景

背景には、国内外での需要の減少に加え、中国を中心とした増産による供給過多が影響し、需給バランスが悪化していることがあります。
実際、住友化学ではシンガポールの生産設備で稼働率の低下が課題となっており、採算の改善が急務となっています。
このような状況の中、各社は自社の強みを活かした差別化戦略に注力しています。

主要企業の動き

最近では化学各社がMMAの生産を縮小したり、終了したりする動きが出ています。
例えば、三菱ケミカルは広島の工場でMMAモノマーやアクリロニトリル(AN)の生産を終了すると発表しました。
住友化学もシンガポールでMMAモノマーとPMMAの生産を減らしましたし、旭化成もタイでのANとMMA事業を終了すると決めました。


特に三菱ケミカルにとって、MMAモノマーは世界的にトップシェアを誇る重要な事業で、社長の筑本学氏は「当社は世界で唯一、3つの生産技術を持ち、CO2の排出量が最も少ない技術を提供している」と自信を持って語っています。


MMAモノマーの製造方法の一つであるACH法には、設備が腐食しやすく、維持費がかかるという課題がありました。
そのため、三菱ケミカルはより環境に優しいアルファ法への切り替えを進め、競争力を高めています。


住友化学は2022年に「MMA事業部」を設立し、戦略の策定とグローバル展開を一元的に担当しています。
シンガポールでの生産体制を最適化しつつ、高付加価値のアクリル樹脂や特殊品に力を入れています。


また、住友化学は、アクリル樹脂のケミカルリサイクル技術をアメリカのルーマス・テクノロジーにライセンス供与して協力しており、このパートナーシップを通じて、さまざまな顧客層をターゲットにしていく予定です。


化学業界では、こうした新しい技術を取り入れながら、環境に優しいMMA関連の事業を持続可能に進化させていこうとしています。
化学業界では、環境に優しい技術を取り入れることで、今後ますます持続可能な事業展開が進んでいくでしょう。
企業は、自社の強みを活かしながら新しい挑戦に取り組み、より高付加価値の製品を提供することで、未来に向けた成長を目指しています。
これからのMMA関連の動向にも注目し、どのように業界が変化していくのかを見守っていきたいですね。


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