ものづくりプレス

2025-02-06

天然ゴム価格高騰の現状とゴム製品への影響:代替素材とコスト削減策

最近、天然ゴムの価格が急上昇しています。

日本のJPX天然ゴム先物相場は1キロ400円に達し、2011年以来の高値を更新しました。

価格上昇の主な原因は、東南アジアの豪雨や洪水といった天候不順が続いていること。

また、中国の景気刺激策や円安の影響も買い材料となりました。

しかし、価格が上がる一方で、供給の不安が広がり、今後の天候や経済の動向次第でさらに相場が変動する可能性があります。


この天然ゴムの不足やゴム製品の価格高騰の対策として、新たな天然ゴム素材がが注目されています。

これらの研究は、ゴム供給の多様化と安定化を目指すタイヤメーカーにとって重要な取り組みです。


本記事では、ゴム価格高騰の現状と今後の挑戦を見ていきましょう。

ロシアタンポポ


ゴムの価格上昇の原因




産地の天候不順

JPX天然ゴム先物相場は、1キロ400円まで値上がりし、2011年4月以来の高値を更新しました。

これは、産地の天候不順が続いていることが影響して、買い圧力が強まったためです。

また、中国の景気刺激策発表や、為替が円安気味に推移したこともプラス材料となりました。



東南アジアでの豪雨



上海のゴム先物相場も上昇し、1トン18,000元台中盤に達し、2017年3月以来の高値を記録しています。

東南アジアでは8月から2カ月間にわたる豪雨が続き、その影響で洪水や地すべりなどが発生し、ゴムの供給に不安が生じています。

この影響は他の農産物市場にも広がり、天候不安定が原因で価格が急上昇しています。


さらに、「ラニーニャ現象」の発生が予想され、8月と9月の豪雨はその兆候とも見られており、投機的な買いが増加しています。

今後、産地の天候が安定するか、それともラニーニャ現象でさらに不安定化するのかが注目されていますが、供給不安の影響で相場は上昇しています。


天候リスクと供給の行方




今後の供給状況は、エルニーニョ現象が春以降も続くかどうかに大きく左右されそうです。

この現象が続けば東南アジアの豪雨や洪水が深刻化し、ゴムの生産や流通に影響を与えるかもしれません。

ただ、異常気象がなければ、安定した供給が期待されます。


在庫状況にも注意が必要です。

国内のゴム在庫は2023年末時点で低い水準にあり、産地で天候リスクが高まると、供給不安から価格が急騰するリスクがあります。




ロシアタンポポと天然ゴム成分

ロシアタンポポの根には天然ゴム成分が含まれており、この植物は将来的にゴムの供給源として注目されています。


しかし、実用化には加工の効率化が必要です。

池田社長は「両社の技術を融合すれば、実用化を加速できる」と自信を持っています。


天然ゴムの供給源を多様化することは、タイヤメーカーにとって共通の課題です。

ブリヂストンはすでに2012年からロシアタンポポの研究を本格的に開始しており、さらに2014年には乾燥地帯に生息する低木「グアユール」の活用を目指して、アメリカ・アリゾナ州に研究所を開設しました。



リサイクル素材



廃タイヤを再利用したリサイクルゴムや、生分解性ゴムの研究も進んでおり、これらの素材は二酸化炭素排出量の削減やゴミの減少に貢献します。

これからのゴム製品は、ただの便利な素材ではなく、環境への配慮と技術革新が融合した「次世代の素材」として、私たちの生活を豊かにするだけでなく、地球環境を守る役割を担っていくでしょう。


まとめ




いかがでしたか?

天然ゴムの価格高騰は、天候不順や経済状況など多くの要因が絡み合った結果ですが、その影響は私たちの日常にも波及します。

一方で、ロシアタンポポやグアユールといった新たな供給源の研究が進むことで、長期的な安定供給の可能性が広がっています。

ゴム市場は依然として不安定ですが、これらの取り組みが実を結べば、持続可能で柔軟なゴム供給体制が実現する日も遠くないでしょう。

変化の激しい市場環境の中で、未来への挑戦がどのような結果をもたらすのかが今後も注目されます!

記事検索

NEW

  • 溝(グランド)内で圧縮されたOリングの断面図に、圧力・温度・圧縮率を示す矢印と、チェックリストが添えられたアイソメトリックイラスト。密封のメカニズムと仕様確認のイメージ。
    2026/01/30
    Oリングの“線径・内径”指定だけでは足りない 密封トラブルを減らす発注仕様の必須項目(仕様書テンプレ付き)
    Oリングの発注で「線径...
  • ゴム製Oリングの図面上で、特定の重要寸法(CTQ)が赤く強調され、他の寸法が緑色(緩和)で示されている様子を虫眼鏡で見ているアイソメトリックイラスト。背景にノギスとコストダウンのグラフ。
    2026/01/29
    ゴム部品の「図面公差」どこまで厳しくする?
    ゴム部品の見積が高い。...
  • ゴム製Oリングやプラスチック部品を運ぶコンベアの上に、EU(RoHS/REACH)とUS(TSCA)を示す3つのフォルダが並び、手前にチェックリストがあるアイソメトリックイラスト。規制対応と実務手順のイメージ。
    2026/01/28
    RoHS/REACH/TSCAの違いを“調達実務”で理解する:ゴム・樹脂部品の化学物質規制チェック手順
    「RoHSはOK?」「REACH...
  • コストの内訳(材料、加工、金型、物流)を表す分解された円グラフを虫眼鏡で調べている様子と、背景に握手のアイコンがある契約書のアイソメトリックイラスト。原価分解と交渉成功のイメージ。
    2026/01/27
    『値上げ交渉』を避けるのは逆効果──ゴム・樹脂部品の価格改定に強い調達へ変える“原価分解”と契約設計
    ゴム・樹脂部品の調達で...

CATEGORY

ARCHIVE