ものづくりプレス

2025-02-12

ゴムの粘着技術:製造業の革新を支える接着力の秘密

普段使っているテープやシール。

何気なく使っていますが、実はその「くっつく力」の裏側には、ゴム系粘着剤という技術があるんです!

接着剤は、天然ゴムや人工的に作られた合成ゴムを原料とし、特別な工夫で物にピタッと貼りつく力を持たせています。

この技術のおかげで、凹凸のある表面や特殊な素材にも簡単に接着できます。

さらに、寒い場所でも使えたり、絶縁性が高かったりと、その特性は多岐にわたります。


今回は、ゴム系粘着剤についてご紹介していきます!

ゴム

ゴム系粘着剤とは

ゴム系粘着剤にはいろいろな種類がありますが、大きく分けると天然ゴムを使ったものと、人工的に作られた合成ゴムを使ったものの2つに分けられます。

ただ、ゴムそのものには粘着性がないので、そのままだと物にくっつけることができません。

粘着剤にするには「粘着付与樹脂」という特別な樹脂を混ぜる必要があります。

この樹脂を加えることで、ゴムが柔らかくなり、物にくっつく力を持つようになります。

ゴム系粘着剤の種類

天然ゴム系粘着剤

天然ゴムはゴムの木から取れる樹液(ラテックス)が原料です。

このラテックスに粘着付与樹脂や、ゴムが劣化しないようにする添加剤を混ぜて作られます。


特長

歴史が古く、昔から使われている粘着剤です。

天然ゴムはそのままだと硬すぎて使えないので、「素練り」という作業で柔らかくしてから作られます。

柔軟性や流動性が高く、いろんな素材に使えます。


主な用途

包装用テープ、電気絶縁テープ、マスキングテープ、表面保護テープ、両面テープ、クラフトテープなど


合成ゴム系粘着剤

合成ゴム系粘着剤は、天然ゴムではなく人工的に作ったゴムを使っています。

主な種類として、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリイソブチレン(PIB)、スチレンブロック共重合体(SIS、SBS、SEBSなど)があります。


特長

用途に合わせて柔らかさや硬さを調整できます。

配合を工夫すれば、耐寒性、防水性、透明性、弾力性などさまざまな性能を持たせられます。

一部は「ホットメルト型粘着剤」にもできます。

これは熱を加えると柔らかくなり、冷めるとまた硬くなる特性を持っています。


主な用途

包装用テープ、表面保護テープ、ラベル、結束用テープなど

ゴム系粘着剤のメリットと注意点

メリット

どんな素材にも使える

凹凸のある表面や、くっつきにくいポリプロピレンやポリエチレンにも使えます。


簡単に使える

面倒な混ぜる作業や、使用前の待ち時間が必要ありません。


安い

他の粘着剤と比べるとコストが抑えられます。


すぐに強くくっつく

初期粘着力が強く、すぐに貼れるのが特長です。


低温でも大丈夫

寒い場所でもくっつきます。


絶縁性が高い

電気を通しにくいので、感電防止にも役立ちます。


注意点

長持ちしにくい

時間が経つと剥がれやすくなります。


調整の幅が狭い

特定の性能を持たせるのが難しいことがあります。


紫外線に弱い

日光で劣化したり色あせたりしやすいです。


環境によって変化しやすい

高温では柔らかくなって粘着力が落ちることがあります。

まとめ

いかがでしたか?

ゴム系粘着剤は、私たちの生活を支えるだけでなく、製造業やさまざまな現場で大活躍しています。

その「くっつける力」には、多くの工夫と技術が詰まっているんですね!

メリットや注意点を知ることで、身近な製品がどのように作られ、どんな工夫がされているのかを感じられるはず。

次にテープやシールを手にしたとき、この技術のことを少しでも思い出してもらえたら嬉しいです。

便利な粘着剤の世界、これからもぜひ注目してみてください!