ものづくりプレス

2025-02-17

ゴムの変色対策とは?白化や黄変を防ぐ最新技術

ゴム製品は、日常生活の多くの場面で活躍していますが、その一方で「変色」問題に悩まされることもあります。

特に、白化(ブルーミング)や黄変(黄変・黄着)は、見た目に大きな影響を与えるため、製品の品質やブランド価値に関わる重要な課題です。

この記事では、ゴムに発生する変色現象の原因と、それを防ぐための最新技術について詳しく解説します。

黄色いゴム手袋

ゴムの変色現象とは?

白化(ブルーミング)とは?

白化(ブルーミング)は、ゴム製品の表面にうっすらと白い粉が吹いたように見える現象です。


この粉は、ゴムの配合成分である加硫剤や加硫促進剤、老化防止剤などが時間経過とともにゴム表面に浮き出ることによって発生します。

多くの場合、機能に影響を与えることは少ないものの、見た目が損なわれるため、外観不良として問題になることがあります。


ブルーミングは、加硫不足や材料配合が不適切であることが原因となることが多く、特に加硫が不十分な場合には、ゴムの硬化が進まないため、製品が適切に機能しないリスクもあります。

また、ブルーミングは長期間保存された製品においても発生しやすく、その発生を予防するためには、適切な保存方法が求められます。


黄変(黄変・黄着)とは?

黄変(おうへん)や黄着(おうちゃく)は、ゴム製品の表面が黄色く変色する現象です。

特に、白色や生成色、淡色のゴム紐(ゴムひも)やゴム手袋に多く見られ、見た目が大きく損なわれるため、品質不良として認識されます。

黄変や黄着の原因は複数あり、主に以下の要因が関与しています。


蛍光増白剤や仕上げ加工剤

これらの化学薬品が、光や熱、大気汚染ガスの影響を受けて黄変しやすくなります。


汚染した大気やガス類、湿気

環境中の汚染物質(NOx、SOx)や湿気が黄変の進行を促進します。



リグニン分解物や酸化防止剤

包装用フィルムに含まれる酸化防止剤(B.H.T)や、リサイクル紙・ダンボールに含まれるリグニン分解物が原因となることがあります。


これらの要因が複雑に絡み合い、ゴム製品の表面が変色するのです。

ゴムの変色防止のための対策

ナノテクノロジーの応用

ゴム製品にナノ粒子を組み込むことで、表面の酸化を防ぐ効果が期待されています。

ナノ粒子がゴムの表面に均等に分布し、より強固な保護膜を形成することで、変色を抑えることが可能です。

新しい抗酸化剤の開発 黄変や黄着の原因となる酸化反応を抑制するため、新しい抗酸化剤が開発されています。

これにより、ゴム製品の耐久性が向上し、長期間にわたって色変化を防ぐことができます。


非移行性ゴム

色移りを防ぎたい場合は、非移行性タイプのクロロプレンゴムが適しています。

さらに、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマー(SEBS)も、色移りが起こりにくいためおすすめです。

また、薄いグレーのゴムを選ぶことで、色移りをより一層抑えることが可能です。

まとめ

いかがでしたか?

ゴム製品の変色は、見た目だけでなく、製品の品質にも大きな影響を与える可能性があります。

白化(ブルーミング)や黄変(黄変・黄着)を防ぐためには、製造工程や保存方法を工夫することが重要です。

最新技術の進展により、変色防止のための新しい方法も登場しており、今後さらに進化することが期待されます。

ゴムの品質を守るため、変色対策を積極的に実施し、製品の長期的な耐久性を確保することが求められます。

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