ものづくりプレス

2025-02-22

食品産業で使われるゴム部品、その安全性を検証

食品製造や加工の現場では、ゴム製品が欠かせません。

例えば、食品機械の部品や包装材、さらには調理器具にもゴム部品が使われています。

これらのゴム製品は、食品に直接触れるため、安全性が何より重要です。

そこで基準となるのが「食品衛生法」です。

この法律では、食品や添加物だけでなく、器具や容器包装についても厳しい規格が設けられています。


本記事では、食品産業で使われるゴム製品の種類や特性、食品衛生法に適合するためのポイントをわかりやすく解説していきます。

ゴム部品がどのように安全性を保ち、私たちの食生活を支えているのか、ぜひ一緒に見ていきましょう!

食品衛生法

はじめに

食品衛生法に適合するゴム製品には、天然ゴムをはじめ、NBR、EPDM、CR、CSM、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなど、さまざまな合成ゴムが使用されています。

これらのゴム製品には、耐油性や耐摩耗性を向上させるために、さまざまな添加剤が含まれています。


食品衛生法とは

食品衛生法は、日本国内での飲食による健康被害を防ぐことを目的とした法律です。

厚生労働省が所管しており、食品や添加物だけでなく、食器、食品機械、製造機械部品などの食品に直接触れる器具や容器包装についても、基準や表示、検査の原則が定められています。


食品衛生法第18条に基づき、昭和34年厚生省告示第370号(食品・添加物等の規格基準)の第3章では、器具および容器包装の規格と試験方法が規定されています。

その後、昭和57年に告示第20号によりプラスチック製器具および容器包装に関する規定が全面改正されました。

しかし、ゴム製器具や包装容器においては、告示第20号で導入された溶出試験法が不適切であったため、昭和61年に告示第85号によってさらに改正が行われました。

食品衛生法に適合するシリコーンゴム

シリコーンゴムは、耐熱性や耐久性に優れ、化学的にも安定しています。

また、万が一誤って飲み込んでも体内に吸収されず、人体への影響は少なく、アレルギー反応も起こりにくいとされています。


そのため、食品関連の製品や医療現場で広く使用されています。

食品に使用されるゴム製品は、食品衛生法の規格基準に基づき、材質試験(鉛やカドミウムの含有量)や溶出試験(ホルムアルデヒドや亜鉛などの溶出量)が定められています。


一般的なシリコーンゴムは、これらの試験で基準内に収まることが多いため、食品衛生法に適合しているケースがほとんどです。

しかし、生産時に着色や特性の付加を行うと、基準から外れる場合があります。


シリコーンゴムとは

シリコーンゴムとは、シリコーン(シリコン)と酸素を主成分とする合成ゴムの一種です。

シリコーンポリマーを基本に、シリコーンオイルやその他の添加物を加え、加硫(硫黄などで硬化させる処理)することによって、弾力性や耐熱性などの優れた特性を持つゴム素材が作られます。

まとめ

いかがでしたか?

食品産業で使われるゴム製品は、私たちの安全を守るために厳しい基準をクリアしています。

これらの製品がどれだけ重要な役割を果たしているかを理解することで、普段の生活で使われる食品関連のゴム製品に対する信頼が深まったのではないでしょうか。

今後も安全基準を守りながら、安心して使える製品が作られ続けることが大切ですね。

私たちの健康を守るために、これからもしっかりとした管理が行われていくことを期待しましょう!

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