ものづくりプレス

2025-03-18

ゴム製品の海外展開事例!世界で評価される技術力とは

日本のゴム製品は、その高い技術力と品質の高さで世界中から注目されています。

特に、精密な加工技術や、厳しい品質管理によって作られる製品は、海外市場でも高い評価を受けています。

今後も、技術革新と現地生産体制の強化を通じて、さらに多くの企業が海外での競争力を高め、世界市場での成長を続けていくことでしょう。


本記事では、そんな日本のゴム製品がどのように海外展開を進めているのか、その具体例と背景についてご紹介します。

工場

ゴム業界の概要

最も多く使われているゴム製品はタイヤです。

実は、2021年のゴム製品の出荷金額の半分以上がタイヤに占められています。

それ以外にも、ゴムベルトやゴムホース、ゴムシート、Oリング、パッキンなどもよく使われています。


天然ゴムの市場は成長を続けており、1983年には500万トンを超え、その後も増加しています。

2000年代には700万トンを突破し、2018年には1,388万トンと、30年前の3倍以上にもなりました。

ゴムの消費量やシェアを国別で見ると、中国、インド、アメリカが上位にランクインしており、特に人口が多い国や急成長している地域が目立ちます。


ゴム業界の需要は、自動車の販売台数に大きく影響されることが多いです。

新型コロナウイルスの影響で一時的に落ち込んだ時期もありましたが、基本的には順調に成長しています。

この成長を支えているのは、特に中国などの新興国のインフラ整備や車の普及が大きな要因とされています。

様々な企業の国際展開

住友ゴム工業株式会社

ゴルフは、2021年時点で260以上の国で楽しまれている、世界中で愛されているスポーツです。

日本でも多くの人がプレーしており、ゴルフ用品を扱う国内メーカーもたくさんあります。

その中でも、世界進出を果たした企業のひとつが住友ゴム工業株式会社です。


住友ゴム工業株式会社が展開しているゴルフ用品のブランドには、「ゼクシオ」と「スリクソン」の2つがあります。

「ゼクシオ」は日本国内で非常に人気が高いブランドで、国内ゴルファーに愛されています。


「スリクソン」は1996年に東南アジアで初めてゴルフボールを販売したのをきっかけに生まれ、世界進出を目指すブランドとして位置づけられています。

スリクソンが世界的に注目を集めたのは、1999年にそのゴルフボールを使用したプロゴルファーが世界のプロツアーで15勝を達成したことからです。

そして、ダンロップと契約している畑岡奈沙選手や松山英樹選手がアメリカで活躍したことが大きな後押しとなり、スリクソンは一気に世界的なブランドへと成長しました。


ミナトゴム

ミナトゴムは、1969年に創業したゴムや樹脂のメーカーで、自動車用部品や空圧機器関連の精密部品、乳児用乳首など、多岐にわたる製品を手掛けています。

高度な技術を活かした製品で、多くの顧客から信頼されています。

国内では、1986年に茨城県、2006年に岩手県に工場を増設してきました。


しかし、自動車メーカーが海外での生産を進める中で、国内での受注が減少してきました。

そのため、顧客からは海外生産をお願いしたいという声が上がり、同社は海外展開を検討するようになります。

取引先の金融機関に相談したところ、ジェトロを紹介され、海外進出が具体的に進みました。


ベトナム工場が立ち上がった当初、使用する機械はわずか1台で、生産量も限られ、品質の面でも理想には届きませんでした。

しかし、同社は2014年に思い切って機械を4台に増やし、日本からスタッフ2名を派遣して、5年間かけて生産量と品質を向上させることを決定しました。


さらに、現地の人材の育成にも力を入れ、最終的には現地スタッフに工場を任せて、ベトナム法人に権限を移譲することを目指しています。

同社にとって、ベトナム工場はコスト削減のためだけの拠点ではなく、高品質な製品を安定的に生産し、利益を上げられる体制を作るために取り組み続けています。

まとめ

いかがでしたか?

日本のゴム製品は、世界中で高い評価を受けています。

住友ゴム工業やミナトゴムのように、海外展開を進める企業が増え、技術力と品質を武器に世界市場で活躍しています。

これからも日本のゴム業界は、技術革新を追求しながら、世界でさらに成長を続けるでしょう。

今後どんな新しい展開が待っているのか、楽しみですね。