ものづくりプレス

2025-03-28

天然ゴム(NR)とその多様な使用領域

天然ゴム(NR)は、私たちの生活や産業で欠かせない素材の一つです。

このゴムは、ゴムの木(Hevea brasiliensis)から得られる自然由来の素材で、その強さと柔軟性で広く知られています。

特に高い引張強度や加工のしやすさ、優れた動的性能など、多くのメリットを持っています。

そのため、タイヤや手袋、ホースといった製品をはじめ、さまざまな用途で活用されています。

一方で、酸素やオゾン、油などに対する耐性が低いという弱点もありますが、それを補う形で代替の合成ゴムが登場しながらも、天然ゴムは今でも世界のゴム市場で大きな存在感を保っています。


本記事では、この素材がどのような特性を持ち、どんな場面で活用されているのかを、一緒に詳しく見ていきましょう。

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天然ゴム(NR)とは?

天然ゴムは、ゴムの木(パラゴムノキ)から取れる樹液「ラテックス」が原料です。

このラテックスは、ゴムの木の樹皮を削ると出てくる白い粘り気のある液体で、固めて乾燥させることでゴムが作られます。

主に東南アジアが生産の中心で、日本ではこの天然ゴムを輸入して利用しています。

ラテックスを処理してできたゴムは、タイヤや手袋、ホースなど幅広い製品に使われています。

天然ゴム(NR)の作り方

天然ゴムは、まずゴムの木の樹皮を斜めに削ってラテックスを集めるところから始まります。

このラテックスは、不純物を取り除いた後、酸を加えて固形化。

その後、型に入れて形を整え、乾燥させます。

乾燥したゴムは用途ごとにさらに加工され、工業製品として完成します。

この手順を経ることで、使いやすい形のゴム製品が作られているのです。

天然ゴムと合成ゴムの違い

天然ゴムと合成ゴムは、原料や作り方、そして用途に違いがあります。

天然ゴムはゴムの木から採れる自然由来の素材で、特に弾力性と摩耗への強さに優れています。


一方、合成ゴムは石油を加工して作られたもので、耐熱性や耐油性が高く、化学薬品にも強いものが多いです。

そのため、例えば車のタイヤには弾力性が必要なので天然ゴムが使われることが多く、耐油性が求められる部品には合成ゴムが適しています。

それぞれの特徴を活かして、製品の用途に合わせた使い分けがされています。


天然ゴムと合成ゴムの特徴

天然ゴムは、弾力性や摩耗への強さが特徴ですが、耐熱性や耐油性は弱い傾向があります。

一方、合成ゴムは高温や化学薬品への耐性が求められる環境でも活躍します。


ゴムの用途別の使い分け

天然ゴムと合成ゴムは、製品に求められる性能によって使い分けられています。

天然ゴムは弾力性や摩耗への強さから、車のタイヤや機械部品に活用されています。

タイヤでは、路面との摩擦を高める役割を果たしています。


一方、合成ゴムは耐油性や耐熱性が必要な工業用ホースやシール材、化学薬品を扱う機械部品などに使用されています。

それぞれのゴムの特性を理解し、適材適所で使うことが大切です。

まとめ

天然ゴムは、その自然由来の特性と高い柔軟性、引張強度によって、タイヤや手袋など多くの製品で広く活用されています。

一方、合成ゴムは耐熱性や耐油性など、特定の条件下で求められる性能を発揮し、それぞれのゴムが異なる使用領域で大きな役割を果たしています。

これらのゴム素材の特性を理解し、使用領域で使い分けることが、より効率的で持続可能な製品作りに繋がります。

天然ゴムと合成ゴム、それぞれの良さを活かして、これからも私たちの生活や産業に役立つ製品が生み出されていくことでしょう。