ものづくりプレス

2025-05-25

自動車用ジャバラの材質と構造|耐久性を高める設計のポイント

機械や自動車の部品は、日々の動きや外部の影響を受ける中で、どうしても劣化や損傷が避けられません。

そんな時に役立つのが「ジャバラ」と呼ばれる部品です。

ジャバラは、特に可動部分を守るために使われ、機械を塵や水、油などから保護する役割を果たします。

自動車用ジャバラは、その耐久性や柔軟性が求められ、さまざまな環境で活躍しています。

材質によってその性能が大きく変わるため、どんな用途に適しているかを理解することが重要です。


この記事では、ジャバラの役割や種類、適切な材質選びについて詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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ジャバラとは

ジャバラは、機械の動きや外部からの影響(例えば、防塵、耐熱、耐寒、耐油、耐酸など)から機器を守るために作られた部品です。

特に、屈曲や伸縮などの動きを受ける部分を保護する役割を担っています。


ジャバラの役割

ジャバラは、機械の可動部分や配管を守るために取り付けられる部品です。

塵や水、化学薬品、油などから機械を守る役割を果たします。


アコーディオンのように伸縮自在な構造をしていて、機械が動くたびに伸び縮みしながら内部の部品を保護します。

材質にはゴム引き布やナイロンターポリン、シリコンゴムなど、使用する環境に応じて最適なものが選ばれます。


ジャバラを取り付けることで、機械の可動部が安全にカバーされ、指や腕が挟まれるのを防ぐことができます。

また、可動部を液体や塵から守ることで、メンテナンスの手間を減らし、コストの削減にも繋がります。

ゴムの加硫とは

ジャバラの設計と性能は、使用する素材によって大きく影響を受けます。

耐久性や柔軟性、耐腐食性などを重視して、適切な素材を選ぶことが非常に重要です。

金属ジャバラの素材

ステンレス鋼

ステンレス鋼は、耐腐食性や強度、成形のしやすさに優れており、ジャバラでよく使われる素材です。

ステンレス鋼に含まれるクロムが表面に保護層を作り、酸化や腐食から守ってくれます。

よく使われるステンレス鋼の種類は以下の通りです。


ニッケル合金

ニッケル合金は、非常に高い耐腐食性や高温強度、耐酸化性を持っており、過酷な環境でも使用されます。


主なニッケル合金は以下の通りです。


インコネル

高温でも強度と耐腐食性に優れ、ジェットエンジンや化学機器に使用されます。


ハステロイ

酸や化学薬品に強く、化学処理や汚染制御システムでよく使われます。


モネル

海水や酸に強いニッケル銅合金で、海洋や食品業界などで使用されます。


真鍮と青銅

真鍮や青銅は銅合金で、成形性や腐食に対する耐性があります。

真鍮は亜鉛を含み、青銅はスズを含んでおり、強度や耐摩耗性に違いがあります。

これらは要求が少ない用途や装飾的な目的で使われます。


ベリリウム銅

ベリリウム銅は銅に少量のベリリウムを加えた合金で、強度や耐摩耗性、導電性が向上しています。

電気や電子機器などの精密な用途に向いています。


チタン

チタンは強度対重量比が優れ、耐腐食性も高い素材です。

航空宇宙や医療、海洋用途に使われることが多いです。


アルミニウム

アルミニウム合金(5052や6061など)は軽くて成形性が良好で、適度な強度を持っています。

自動車の排気システムやHVAC機器に使われます。

非金属ジャバラの素材

ポリウレタン

ポリウレタンは、耐摩耗性や柔軟性があり、油や溶剤にも耐性を持っています。

高い耐久性と柔軟性を求められる用途に最適です。


ポリ塩化ビニル (PVC)

PVCは耐薬品性や難燃性に優れた素材で、パイプやダクトシステム、機械の保護カバーに使われます。

コストパフォーマンスが高い素材です。


ネオプレンコーティングナイロン

ネオプレンコーティングされたナイロンは、強度と耐薬品性を兼ね備えた素材で、屋外で使われる建設機械や船舶用のジャバラに最適です。


ハイパロンコーティングナイロン

ハイパロンコーティングは、化学薬品や紫外線、オゾンに強いので、過酷な屋外環境でも長持ちします。

日光やオゾンにさらされる場所のカバーに使われます。


コーティングされたグラスファイバー

グラスファイバーは強度が高く、耐熱性や絶縁性にも優れています。

高温や熱膨張が求められる用途で使用されます。


これらの素材から選ぶ際には、使用環境や目的に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。

それぞれの素材の特性を理解し、適切なジャバラを選ぶことで、機械や設備の性能を最大限に引き出すことができます。

まとめ

いかがでしたか?

ジャバラは、機械や自動車の長寿命化をサポートする重要な部品です。

適切な材質を選ぶことで、耐久性を高め、過酷な環境でも安心して使用できます。

自動車用ジャバラでは、特に耐熱性や耐油性が求められるため、使用する状況に最適な素材を選ぶことがポイントです。

ジャバラを上手に活用することで、機械や設備の性能を最大限に引き出し、メンテナンスの手間やコストも減らすことができます。

適切なジャバラ選びを通じて、より快適で効率的な作業環境を実現しましょう。