ものづくりプレス

2025-06-24

ノンアスベストパッキンの耐熱・耐圧性能|高温・高圧環境での活用事例

みなさんは「パッキン」と聞くと、どんなものを思い浮かべますか?
水道の蛇口や給湯器の接続部分など、暮らしの中でひっそりと活躍しているものですが、実は工場や発電所、さらには自動車産業などでも大切な役割を果たしているんです。


昔は「奇跡の鉱物」とも呼ばれたアスベストが使われていましたが、健康への影響が問題視され、2006年には全面禁止に。
それに代わるものとして登場したのが、アスベストを使わない「ノンアスベストパッキン」です。


今では安全性の高さから、さまざまな場面で使われるようになりました。
では、ノンアスベストパッキンにはどんな特徴があるのでしょうか?
そして、どのような場所で活躍しているのでしょうか?
本記事でわかりやすく解説していきます!

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ノンアスベストパッキンってどんなもの?

ノンアスベストパッキンは、その名前のとおり、アスベストを使わずに作られたパッキンです。


かつてアスベストは「奇跡の鉱物」と呼ばれ、さまざまな製品に使われていました。
ただ、健康への悪影響が問題になり、2006年には全面的に使用禁止に。
それに代わる安全な素材として、各メーカーが「ノンアスベストジョイントシート」を開発しました。
今ではアスベストを含まない「ノンアスベストパッキン」が広く使われています。


ノンアスベストパッキンの代表的な製品には、日本バルカーの「ノンアス」などがあります。


ノンアスベストパッキンの特徴
このパッキンは、繊維材料やゴム、充填剤を混ぜて作られたシート状の素材で、以下のような特徴があります。


質感は厚紙を圧縮したような感じ。弾力はあまりなく、しっかりした硬さがあります。
カラーや性能にバリエーションあり、青・赤・黒などの色があります。
防食性・耐熱性・強度を高めたタイプもあります。
ゴム製よりもシール性はやや劣るが、面でしっかり密着し、ねじれに強いです。

ノンアスベストパッキンの用途

ノンアスベストパッキンは、さまざまな高温・高圧の現場で活躍しています。
どんなところで使われているのか、具体的に見ていきましょう!


化学工業
工場で薬品を混ぜたり、圧力をかけて反応させたりする機械のシール材として使われています。
強い薬品にも耐えられるよう、PTFE(フッ素樹脂)を含んだタイプなどが活用されています。


石油・ガス産業
パイプラインやバルブのつなぎ目に使われ、熱い蒸気やオイルが漏れるのを防ぎます。
特に、高温の蒸気が流れる設備では、しっかりと密閉することが大切なんです。


発電所
発電所のボイラーや蒸気タービンの周りでも活躍。
高温・高圧の蒸気を扱うため、耐熱性や耐圧性に優れたパッキンが必要不可欠です。


自動車産業
エンジンや排気システムのガスケットとして使われています。
エンジン内部は高温・高圧になるので、強い密閉力を持つパッキンが求められます。


食品加工工場
食品工場では、高温のスチームや熱湯を使う設備の密閉に使われています。
衛生面も考慮され、グラファイトや金属を組み合わせたタイプがよく選ばれます。


ノンアスベストパッキンは、こうした過酷な環境でもしっかり密閉し、安全を守る大切な役割を果たしているんですね!

まとめ

ノンアスベストパッキンは、私たちの身近な設備から、大規模な工場や発電所のような過酷な環境まで、幅広く使われています。
耐熱性や耐薬品性に優れたもの、高圧に強いものなど、用途に応じたさまざまな種類があり、目に見えないところで安全を守ってくれています。
アスベストに代わる安全な素材として誕生したノンアスベストパッキンですが、その技術は今も進化を続けています。
今後も新しい素材や製品が登場し、より高性能なパッキンが開発されていくことでしょう。
普段あまり意識することはないかもしれませんが、実はとても重要な役割を果たしているノンアスベストパッキン。
この記事を読んで、その存在を少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいです!


本記事では、「ノンアスベストパッキン」について詳しく解説しました。
ノンアスベストパッキンは、製造業や技術開発の現場において重要な役割を果たす要素であり、正しい理解と適切な活用が求められます。

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