まず結論:RFQに必ず入れるべき10項目(これだけで比較できる)
見積比較を成立させるために、最低限この10項目を入れてください。
RFQの必須10項目チェックリスト
- 図面・3D・仕様の“確定版”(Rev管理)
- 用途・使用条件(媒体/温度/圧力/動的 or 静的)
- 要求材料(材料名だけでなく、必要物性の優先順位)
- 公差・重要寸法(CTQ)と測定方法
- 品質要求(外観基準、検査方式:全数/抜取、提出書類)
- 数量計画(試作~量産の段階別数量)
- MOQ・ロット分割・出荷頻度(希望条件と許容条件)
- 金型・治具の扱い(所有、償却、保管、改造費の考え方)
- 梱包・ラベル仕様(輸送起因不良・混入防止)
- 変更管理・見積条件(前提、含まない範囲、リードタイム、通貨)
この10項目が揃うと、「価格差の理由」が可視化され、交渉も改善も進みます。
見積比較ができない“よくあるパターン”3つ
パターン1:図面はあるが、使用条件がない
材料・工程・検査が決められず、各社が勝手に前提を置く。
パターン2:数量が1行だけ(例:1000個)
試作費や金型費、量産単価の前提がバラバラになる。
パターン3:品質と梱包が未定義
「どこまでの外観がOKか」「どう運ぶか」で工数が変わり、比較不能になる。
10項目を“比較できる形”に落とす:書き方のコツ(実務向け)
ここから、10項目をどう書けば良いかを具体化します。
1. 図面・3D・仕様の確定版(Rev管理)
RFQで一番大事なのは「同じ図面を見ている」状態を作ることです。
- 図面(PDF)
- 3D(STEP等、可能なら)
- 図面Rev(例:Rev.C)
- 変更履歴(何が変わったか)
- 特記事項(バリ禁止、ゲート位置など)
Revが揃っていない見積は、比較対象になりません。
2. 用途・使用条件(媒体/温度/圧力/動的or静的)
材料や工法に直結するため、ここが無いと全てがブレます。
- 用途:シール/防振/緩衝/絶縁 など
- 動的:往復動/回転/静止
- 媒体:具体名(油種、溶剤名、ガス種など)
- 温度:常用/ピーク/熱サイクル
- 圧力:最大圧、脈動、差圧
使用条件の書き方を揃えると、見積の前提が揃い、比較が成立しやすくなります。
温度だけ見て材質を決めると失敗する:耐熱・耐寒の“時間×媒体×圧力”で見る材料選定3. 要求材料(材料名+必要物性の優先順位)
「NBRで」だけだと、配合差やグレード差で品質がズレます。
材料名に加えて、優先したい物性を1〜3個指定すると強いです。
例)
- 材料候補:NBR(同等可)
- 優先物性:圧縮永久ひずみ(高温)>耐油性>低温追従
- 禁止事項:PFAS含有不可(該当時)
4. 公差・重要寸法(CTQ)と測定方法
ゴム・樹脂は“測り方”で合否が変わります。ここを揃えると比較が成立します。
- CTQ(重要寸法)一覧(3点だけでも可)
- 測定方法(治具、押し付け圧、測定タイミング)
- 測定頻度(全数/抜取)
- 測定結果の提出形式(成績表)
CTQを絞って測定条件を揃えると、品質とコストの両方が前に進みます。
ゴム部品の「図面公差」どこまで厳しくする?—公差1段緩めてコストを落とす設計・調達の会話術5. 品質要求(外観基準・検査方式・提出書類)
ここが無いと、見積の前提がバラバラになります。
- 外観基準(写真基準が理想)
- バリ/欠け/傷の許容
- 検査方式:全数/抜取(AQL)
- 提出書類:CoC、材料証明、検査成績表、変更通知
検査方式の前提が揃うと、各社の工数差が見える化され、比較が一気に楽になります。
不良率0.5%が利益を溶かす:ゴム・樹脂部品の検査設計(全数/抜取)とAQLの現実的な落としどころ6. 数量計画(試作〜量産の段階別)
見積が崩れる典型は「数量が1行」だけのRFQです。
段階別に書くだけで、単価と金型費の出し方が揃います。
- 試作:◯個(初回)
- 評価:◯個(2回目)
- 初期量産:◯個/月(3ヶ月)
- 安定量産:◯個/月(12ヶ月)
7. MOQ・ロット分割・出荷頻度(希望と許容)
MOQで揉めるのは、ここが未定義だからです。
- 希望MOQ:
- 許容MOQ:
- 出荷頻度:週次/月次/分割希望
- 分割条件:最小出荷単位、保管期限
「固定費×変動費」の前提を揃えると、MOQ交渉が“価格交渉”ではなく“条件設計”になります。
「MOQ(最小発注数量)」と「ロット分割」で揉めない:量産前後の発注設計とコストの落とし穴8. 金型・治具の扱い(所有・償却・保管・改造)
金型費は「支払うかどうか」だけでなく、条件を揃えないと比較不能です。
- 金型の所有:発注側/サプライヤー側
- 償却:初回一括/単価上乗せ/分割
- 保管:保管場所、保管期限、廃棄条件
- 改造費:誰負担か(図面変更時)
9. 梱包・ラベル仕様(混入・輸送起因不良の防止)
梱包を指定しないと、外観不良・混入のリスクも、工数もブレます。
- 内袋材質(帯電防止の要否)
- 1袋あたり数量
- 仕切り・トレーの要否
- ラベル項目(品番、Rev、ロット、数量、製造日)
- 同梱禁止(異品番混在禁止)
梱包とラベルを仕様化すると、「原因不明の外観NG」「混入」「取り違え」の再発が減ります。
梱包仕様で不良率が変わる:ゴム・樹脂部品の“輸送起因不良”を防ぐ梱包・ラベル設計10. 変更管理・見積条件(前提と除外を明文化)
比較の最後の落とし穴は「見積に含まれている範囲が違う」ことです。
- 見積に含む:材料費、成形費、検査、梱包、輸送(Incoterms)
- 含まない:試験費、初回品承認、特殊検査、治具追加など
- 変更管理:材料・工程・拠点変更は事前通知/承認
- リードタイム:試作LT、量産LT
- 通貨:円建て/外貨(為替条件)
通貨・為替条件は「見積条件」に含めて明文化すると、後工程の揉めが減ります。
為替変動リスクヘッジ:円安・円高局面におけるゴム・樹脂部品の最適取引通貨と決済戦略そのまま使える:RFQテンプレ(コピペ用・1枚で回る)
以下を、そのままRFQとして使えます。
【A. 基本情報】
品番:
品名:
図面/3D:添付(Rev: )
希望納期:試作( )、量産開始( )
納入先:【B. 用途・使用条件】
用途:
動的/静的:
媒体:
温度:常用/ピーク/サイクル
圧力:最大/脈動有無
その他:真空/クリーン等(該当時)【C. 材料・仕様】
材料指定:候補(同等可否)
優先物性:
規制:RoHS/REACH 等(該当時)【D. 寸法・公差・測定】
CTQ:
測定方法:
測定タイミング:
成績表提出:要/不要【E. 品質・検査】
外観基準:写真基準有/無
検査方式:全数/抜取(AQL: )
提出書類:CoC/材料証明/検査成績表/変更通知【F. 数量計画】
試作:
評価:
初期量産:
安定量産:【G. MOQ・出荷・物流】
希望MOQ:/許容MOQ:
出荷頻度:
ロット分割:可/不可(条件: )
物流条件:国内/海外、Incoterms(該当時)【H. 金型・治具】
金型要否:要/不要
所有:発注側/サプライヤー側
償却:一括/単価上乗せ/分割
保管・改造:条件( )【I. 梱包・ラベル】
内袋:材質(帯電防止:要/不要)
入数:1袋( )個、1箱( )袋
仕切り:要/不要
ラベル:品番、Rev、ロット、数量、製造日(内袋ラベル:要/不要)
同梱禁止:要/不要【J. 見積条件】
見積に含む範囲:
含まない範囲:
変更管理:材料/工程/拠点変更の事前通知(要/不要)
支払条件:
通貨:円建て/外貨よくある質問(FAQ)
Q1. 図面だけ送って見積を取るのはダメ?
A. 取れますが、比較できません。サプライヤーが“前提を置いて”見積するため、安い会社が本当に安いのか判断できなくなります。
Q2. 10項目全部埋めるのが大変です
A. 最初は「2 使用条件」「6 数量計画」「5 品質要求」「9 梱包ラベル」「10 見積条件」だけでも効果が出ます。ここが曖昧だと差が出やすいです。
Q3. CTQって何点くらい指定すべき?
A. まずは3点で十分です。機能に直結する寸法(シール面、嵌合部など)だけを指定すると、検査コストも跳ねにくいです。
まとめ:RFQは“比較の設計書”。10項目で見積は揃う
見積比較ができないのは、サプライヤーの問題ではなく、RFQの入力不足が原因であることがほとんどです。
- 図面Revを揃える
- 使用条件(媒体・温度・圧力)を入れる
- CTQ・検査・梱包・MOQ・金型条件を明文化する
- 見積の前提と除外を揃える
この10項目が揃えば、価格差の理由が見え、調達が“前に進む”比較になります。
無料で資料ダウンロード
「相見積を取っても比較できない」
「条件がズレて、結局やり直しになる」
「量産前にRFQを整えたい」
この状況なら、RFQを1枚に整えるだけで、見積スピードと精度が上がります。
図面(Rev付き)と、数量計画(ざっくりでOK)があればレビューできます。
メーカー縛りのない技術商社として、材料・工法・検査・梱包・物流まで含めて“比較可能なRFQ”に落とし込みます。まずは現状RFQをそのまま投げてください。
- 図面(Rev付き)
- 数量計画(試作〜量産の見込み)
- 使用条件(媒体・温度・圧力・動的/静的)
- 品質要求(外観・検査方式)