ものづくりプレス

2026-02-09

見積比較ができない原因はここ|ゴム・樹脂部品のRFQ(見積依頼書)に必ず入れるべき10項目

まず結論:RFQに必ず入れるべき10項目(これだけで比較できる)

見積比較を成立させるために、最低限この10項目を入れてください。

RFQの必須10項目チェックリスト

  • 図面・3D・仕様の“確定版”(Rev管理)
  • 用途・使用条件(媒体/温度/圧力/動的 or 静的)
  • 要求材料(材料名だけでなく、必要物性の優先順位)
  • 公差・重要寸法(CTQ)と測定方法
  • 品質要求(外観基準、検査方式:全数/抜取、提出書類)
  • 数量計画(試作~量産の段階別数量)
  • MOQ・ロット分割・出荷頻度(希望条件と許容条件)
  • 金型・治具の扱い(所有、償却、保管、改造費の考え方)
  • 梱包・ラベル仕様(輸送起因不良・混入防止)
  • 変更管理・見積条件(前提、含まない範囲、リードタイム、通貨)

この10項目が揃うと、「価格差の理由」が可視化され、交渉も改善も進みます。

見積比較ができない“よくあるパターン”3つ

パターン1:図面はあるが、使用条件がない

材料・工程・検査が決められず、各社が勝手に前提を置く。

パターン2:数量が1行だけ(例:1000個)

試作費や金型費、量産単価の前提がバラバラになる。

パターン3:品質と梱包が未定義

「どこまでの外観がOKか」「どう運ぶか」で工数が変わり、比較不能になる。

10項目を“比較できる形”に落とす:書き方のコツ(実務向け)

ここから、10項目をどう書けば良いかを具体化します。

1. 図面・3D・仕様の確定版(Rev管理)

RFQで一番大事なのは「同じ図面を見ている」状態を作ることです。

  • 図面(PDF)
  • 3D(STEP等、可能なら)
  • 図面Rev(例:Rev.C)
  • 変更履歴(何が変わったか)
  • 特記事項(バリ禁止、ゲート位置など)

Revが揃っていない見積は、比較対象になりません。

2. 用途・使用条件(媒体/温度/圧力/動的or静的)

材料や工法に直結するため、ここが無いと全てがブレます。

  • 用途:シール/防振/緩衝/絶縁 など
  • 動的:往復動/回転/静止
  • 媒体:具体名(油種、溶剤名、ガス種など)
  • 温度:常用/ピーク/熱サイクル
  • 圧力:最大圧、脈動、差圧

3. 要求材料(材料名+必要物性の優先順位)

「NBRで」だけだと、配合差やグレード差で品質がズレます。

材料名に加えて、優先したい物性を1〜3個指定すると強いです。

例)

  • 材料候補:NBR(同等可)
  • 優先物性:圧縮永久ひずみ(高温)>耐油性>低温追従
  • 禁止事項:PFAS含有不可(該当時)

4. 公差・重要寸法(CTQ)と測定方法

ゴム・樹脂は“測り方”で合否が変わります。ここを揃えると比較が成立します。

  • CTQ(重要寸法)一覧(3点だけでも可)
  • 測定方法(治具、押し付け圧、測定タイミング)
  • 測定頻度(全数/抜取)
  • 測定結果の提出形式(成績表)

5. 品質要求(外観基準・検査方式・提出書類)

ここが無いと、見積の前提がバラバラになります。

  • 外観基準(写真基準が理想)
  • バリ/欠け/傷の許容
  • 検査方式:全数/抜取(AQL)
  • 提出書類:CoC、材料証明、検査成績表、変更通知

6. 数量計画(試作〜量産の段階別)

見積が崩れる典型は「数量が1行」だけのRFQです。

段階別に書くだけで、単価と金型費の出し方が揃います。

  • 試作:◯個(初回)
  • 評価:◯個(2回目)
  • 初期量産:◯個/月(3ヶ月)
  • 安定量産:◯個/月(12ヶ月)

7. MOQ・ロット分割・出荷頻度(希望と許容)

MOQで揉めるのは、ここが未定義だからです。

  • 希望MOQ:
  • 許容MOQ:
  • 出荷頻度:週次/月次/分割希望
  • 分割条件:最小出荷単位、保管期限

8. 金型・治具の扱い(所有・償却・保管・改造)

金型費は「支払うかどうか」だけでなく、条件を揃えないと比較不能です。

  • 金型の所有:発注側/サプライヤー側
  • 償却:初回一括/単価上乗せ/分割
  • 保管:保管場所、保管期限、廃棄条件
  • 改造費:誰負担か(図面変更時)

9. 梱包・ラベル仕様(混入・輸送起因不良の防止)

梱包を指定しないと、外観不良・混入のリスクも、工数もブレます。

  • 内袋材質(帯電防止の要否)
  • 1袋あたり数量
  • 仕切り・トレーの要否
  • ラベル項目(品番、Rev、ロット、数量、製造日)
  • 同梱禁止(異品番混在禁止)

10. 変更管理・見積条件(前提と除外を明文化)

比較の最後の落とし穴は「見積に含まれている範囲が違う」ことです。

  • 見積に含む:材料費、成形費、検査、梱包、輸送(Incoterms)
  • 含まない:試験費、初回品承認、特殊検査、治具追加など
  • 変更管理:材料・工程・拠点変更は事前通知/承認
  • リードタイム:試作LT、量産LT
  • 通貨:円建て/外貨(為替条件)

そのまま使える:RFQテンプレ(コピペ用・1枚で回る)

以下を、そのままRFQとして使えます。

【A. 基本情報】

品番: 品名: 図面/3D:添付(Rev: ) 希望納期:試作( )、量産開始( ) 納入先:

【B. 用途・使用条件】

用途: 動的/静的: 媒体: 温度:常用/ピーク/サイクル 圧力:最大/脈動有無 その他:真空/クリーン等(該当時)

【C. 材料・仕様】

材料指定:候補(同等可否) 優先物性: 規制:RoHS/REACH 等(該当時)

【D. 寸法・公差・測定】

CTQ: 測定方法: 測定タイミング: 成績表提出:要/不要

【E. 品質・検査】

外観基準:写真基準有/無 検査方式:全数/抜取(AQL: ) 提出書類:CoC/材料証明/検査成績表/変更通知

【F. 数量計画】

試作: 評価: 初期量産: 安定量産:

【G. MOQ・出荷・物流】

希望MOQ:/許容MOQ: 出荷頻度: ロット分割:可/不可(条件: ) 物流条件:国内/海外、Incoterms(該当時)

【H. 金型・治具】

金型要否:要/不要 所有:発注側/サプライヤー側 償却:一括/単価上乗せ/分割 保管・改造:条件( )

【I. 梱包・ラベル】

内袋:材質(帯電防止:要/不要) 入数:1袋( )個、1箱( )袋 仕切り:要/不要 ラベル:品番、Rev、ロット、数量、製造日(内袋ラベル:要/不要) 同梱禁止:要/不要

【J. 見積条件】

見積に含む範囲: 含まない範囲: 変更管理:材料/工程/拠点変更の事前通知(要/不要) 支払条件: 通貨:円建て/外貨

よくある質問(FAQ)

Q1. 図面だけ送って見積を取るのはダメ?
A. 取れますが、比較できません。サプライヤーが“前提を置いて”見積するため、安い会社が本当に安いのか判断できなくなります。

Q2. 10項目全部埋めるのが大変です
A. 最初は「2 使用条件」「6 数量計画」「5 品質要求」「9 梱包ラベル」「10 見積条件」だけでも効果が出ます。ここが曖昧だと差が出やすいです。

Q3. CTQって何点くらい指定すべき?
A. まずは3点で十分です。機能に直結する寸法(シール面、嵌合部など)だけを指定すると、検査コストも跳ねにくいです。

まとめ:RFQは“比較の設計書”。10項目で見積は揃う

見積比較ができないのは、サプライヤーの問題ではなく、RFQの入力不足が原因であることがほとんどです。

  • 図面Revを揃える
  • 使用条件(媒体・温度・圧力)を入れる
  • CTQ・検査・梱包・MOQ・金型条件を明文化する
  • 見積の前提と除外を揃える

この10項目が揃えば、価格差の理由が見え、調達が“前に進む”比較になります。

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ご相談時にあると早いもの
  • 図面(Rev付き)
  • 数量計画(試作〜量産の見込み)
  • 使用条件(媒体・温度・圧力・動的/静的)
  • 品質要求(外観・検査方式)
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